日本の桜はここを見ずして語ることができない、
と言えるほどの日本一のさくらの名所。
2004年に世界自然遺産として登録された「紀伊山地の霊場と参詣道」の北部に当たる奈良県の吉野山は、
4月上旬から4月下旬にかけて麓から山頂に向けて順番に桜を咲かせます。
麓から下千本、中千本、上千本、奥千本とありますが、見頃は中千本、上千本が満開のとき。
奥千本は上千本とは離れた場所にあるのと、山全体を桜が覆う様子は中千本、上千本が満開のときでないと見ることができません。
パッケージツアーで訪れるのが一番気楽ですが、じっくり見たいのなら個人で行くのがおすすめ。
一番上までバスで行き、奥千本から徒歩で花見しながら山を降りていくコースがベストです。
当日は歩きやすい服装と靴でお出かけください。パンプスやハイヒールだと足がとても疲れます。
【おすすめコース(健脚向き)】所要時間:8時間
※食事休憩の時間は含みません。
1.近鉄吉野駅から中千本公園まで、奈良交通のバス(大人片道350円)で行く。
2.中千本の竹林院から奥千本まで、吉野大峰ケーブル自動車のマイクロバス(大人片道400円)で行く。
3.奥千本(金峰神社〜西行庵)〜上千本(高城山展望所〜花矢倉展望台)
4.上千本〜中千本〜如意輪寺〜五郎兵衛茶屋〜竹林院〜吉水神社〜蔵王堂
5.蔵王堂〜七曲り〜下千本〜近鉄吉野駅
※上記3.〜5.は徒歩です。
■吉野山の桜開花情報、地図はこちらです。 吉野山桜情報
自家用車で来る人は、駐車料が1回1500円なので、覚悟しておきましょう。
有料駐車場、無料駐車場が上千本、奥千本にいくつかありますが、道は狭い上に人も多いので、休日は避けたほうがよいでしょう。
近鉄吉野駅近く、下千本の有料駐車場に停めて、バスと徒歩で行くのがおすすめ。
また、無料の駐車スペースになっているところに停めているとパトロール中の奈良県警にナンバーを控えられ、
吉野山全体に響くほどの大音量で「至急移動してください!」と共同放送で呼びかけられます。
1.近鉄吉野駅に到着。
改札口を出ると、下千本が目の前に広がっています。
左手にお土産店。トイレ、コインロッカーがあります。
日帰りで大きな荷物がある人はコインロッカーに荷物を預け、トイレで用を済ませたあと、まっすぐ進みましょう。
右に進むとロープウェイ、突き当たりは奈良交通の中千本公園行きのバス乗り場です。
2.バスに15分程乗車すると、終点の中千本公園に到着します。
停留所奥の階段を登って右側に竹林院、左側約50m先に奥千本行きのバス停留所があります。
道路に面した正面から左の歩道を進むと五郎兵衛茶屋に行くことができます。
3.奥千本行きバス停留所・竹林院前(左の画像)から約20分で、終点奥千本(右の画像)に到着します。
マイクロバスなので中は狭いです。片側が絶壁の1車線の町道を登っていくのでスリル満点。
4.奥千本停留所から鳥居をくぐり、急坂を徒歩5分ほど登ると世界遺産登録の金峰神社に到着。
5.金峰神社(きんぷじんじゃ)は吉野山の総地主の神である金山彦命(かなやまひこのみこと)を祭る神社。
左側の階段を降りたところに「義経隠れ塔」があります。
ここは、源義経が頼朝の追っ手に追われて、一時身を隠したといわれているところです。
6.金峰神社の右側に出ている上り坂を進むと約30分で西行庵、苔清水に行くことができます。
ここからはちょっとしたハイキングコースで、上りと下り坂の混合道で健脚向きです。
奥千本と呼ばれる桜並木は西行庵付近にあります。
7.狭い石段となっている下り坂を降りると、西行庵に到着です。
西行庵(さいぎょうあん)は、もとは京を守る兵士だったのを世をはかなんで出家して歌人になった西行法師が
侘び住まいをしたとされる小さな庵です。
西行法師を師と仰ぐ松尾芭蕉がやって来て、
「露とくとく試に浮世すすがばや」
と詠んでいます。
8.奥千本の桜はまだ開花していません。
つぼみもまだふくらんでない状態。
西行庵から100m程で苔清水(こけしみず)に到着。
雨が地中に滲みこんで清水となり湧き出した場所で、西行法師が
「とくとくと落つる岩間の苔清水
汲みほすまでもなきすむかかな」
と詠んでいます。
9.苔清水から緩やかな上り坂を登ること約20分、宝塔院跡に到着。
ここを右手に行くと旧女人結界の碑があり、その先は熊野古道であり熊野大社に続いています。
10.宝塔院跡から左側の道を下ると金峰神社への道に合流し、下り坂を降りたら金峰神社に到着。
11.金峰神社から舗装された町道を下って行くと、右側に高城山展望休憩所への分岐が見えてきます。
高城山展望休憩所への急な上り坂を登ります。
12.高城山展望休憩所からの眺め。
ここから上千本、中千本の眺望はありません。
ここにも桜の木はありますが、まだつぼみの状態でした。
13.高城山展望休憩所からしばらく町道を下って行くと、水分神社に到着。
14.水分神社境内には、しだれ桜があるのですが、咲き始めではあったものの、満開にはあと数日かかるといった感じでした。
15.このあたりまで下りると、お店も見かけるようになります。
しばらく坂を下ると、左手に花矢倉展望台への分岐が見えてきます。
ここですよ!
ここは絶対、見逃しちゃダメです。
ここが一番のビューポイントです!!
16.手前が上千本、中央左寄りから中央に向かって竹林院、勝手神社、吉水神社、蔵王堂が見えているのがわかります。
17.景色のあまりの美しさにみんな見とれています。
お茶屋では、しいたけ飯セットを頂きながら、お座敷で絶景を眺めることもできます。
18.坂を下るにつれて、上千本の桜の波のさなかに飛び込んで行っている、という感覚です。
すばらしい!!
声も出ない!!
絶景かな!!
19.右も左も、後ろも前も、桜、さくら、sakura・・・
桜に囲まれて、し・あ・わ・せ。
20.韋駄天山から蔵王堂方面を望む。
21.お弁当を拡げるのによさそうな広場もあり、昼食休憩にはピッタリ。
22.国民宿舎の駐車場からは中千本、そして如意輪寺が眺望できます。
23.如意輪寺へは坂をいったん下りた後、また坂を登ります。
勝手神社前の道路からは約1km程ですが、中千本の中を歩くので退屈することはありません。
24.如意輪寺への道程は絶景のひとこと。
中千本の満開の桜の中を歩くと、至るところに撮影スポットがあります。
25.如意輪寺から近鉄吉野駅に至る「ささやきの小径」の情景。
ピンクと緑のコントラストが美しい。
26.如意輪寺側の山の斜面の桜と、如意輪寺と中千本。
至るところに撮影スポットがあるので、デジカメのメモリーは多めに、
予備バッテリーは充分に用意しましょう。
27.蔵王堂の通りに戻るとお土産店や食事処も増えてきて、人出もご覧のとおりの賑やかさ。
続いて、世界遺産登録の吉水神社へ。
28.吉水神社境内には、「一目千本」と呼ばれる絶景スポットがあり、中千本・上千本を眺めることができます。
29.吉水神社では、お参りを済ませたら是非、拝観料を支払って書院に入りましょう。
後醍醐天皇の皇居であり、源義経が兄頼朝の追ってを逃れて静御前、弁慶とともに一時期亡命したところです。
弁慶の武器、義経の鎧兜、静御前の衣装、水戸光圀公直筆の書などが保存・展示され、拝観料を支払う価値は充分あると言ってよいでしょう。
この書院は日本住宅の源流をなす最古の建築ということも特筆です。
30.蔵王堂は金峯山寺の本堂であり、高さが34mもある木造建築。
その佇まいはまさに威風堂々。
31.黒門を過ぎると、あとは七曲りを下って行くだけです。
近鉄吉野駅までは徒歩12〜15分程度で行くことができます。
ロープウェイで下りていってもいいでしょう。大人片道350円です。
32.ロープウェイ麓駅の横を過ぎると、近鉄吉野駅前に出ます。
おつかれさまでした。
所在地 : 奈良県吉野郡吉野町
施設 : −
交通 : 近鉄吉野線・吉野駅(大阪阿部野橋から近鉄急行で約1時間26分)
駐車場: あり(有料)